幼児期は、母国語(日本語)の発達にとても大切な時期であり、これからの小学校生活で欠かせない学習言語を育てることができます。学習言語は、思考力や理解力にとても大切な言葉です。プレップ(幼稚園)で、しっかり日本語を育てることが、これから始まる小、中学校生活での活躍につながります。
☆ 人格形成の基盤になる言葉
2~4歳頃 → 母国語が急激に発達
4~5歳頃 → 母国語の基盤ができる
10歳頃まで → 母国語で学習できる力が養われる
この一番大切な時期に、日本語に接する機会が減ったり、外国語に接する時間が長くなったりすると、日本語の発達が止まり、更にそれまで培った日本語も失われていく危険性があります。
日本国内であれば多くの日本語に触れ、日本語を土台にして思考力や表現力なども自然に身についていく環境がありますが、海外ではそのようにいきません。
思考能力や学習力を高めるには、土台となる日本語がしっかりしていることが大事です。土台となる言語がしっかりしていて、初めて第二言語が発達します。
小学校1年生に入学する際に6000語の言葉が身に付いている必要があると言われています。
☆「学習言語」について
「学習言語」とは、教科書やテストの設問に出てくる言葉や、担任の先生が授業で用いる表現です。
学習言語と生活言語(日常会話に使う日本語)は異なります。学習言語は、学習内容についての理解力、思考力をつけること、自我の形成などにも重要な役割を果たします。
日本の小中学校の国語の文章を読み取る学習では、海外生活が長いお子さんは「楽しい」「うれしい」「悔しい」「悲しい」など、はっきりした感情は読み取れても、複雑な心情の理解となると難しいことが多いです。
「帰国後、学校にうまく適応できない」という悩みが多く聞かれるのは、学習言語の理解が不十分であることに関係する場合が多いです。